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保険契約等に基づく保険金等は、すべて医療費から控除する必要があるのかについて

今回は、保険契約等に基づく保険金等は、すべて医療費から控除する必要があるのかについてです。

具体的には、死亡したり、疾病により重度の障害状態になったことで支払われた保険金や損害賠償金などのことです。

結論から申し上げますと、このような保険金等、つまり、死亡したことや、疾病により重度の障害状態になったこと、療養のため労務に服することができなくなったことなどに基づいて支払われる保険金、損害賠償金などは、医療費を補てんする保険金等にはならないことになっています。

では、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?


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具体的には、次のような、損害保険契約に基づく保険金、災害特約、傷病特約付きの生命保険契約に基づく保険金や給付金で、医療費の補てんを目的としないものがこれにあたることになっていますので、ご参考になさってください。

●損害保険契約に基づく保険金
次のものは、どれも心身に傷害を受けた損害を補てんするものですが、これに疾病特約があれば、その特約部分の保険金は、医療費を補てんするものになりますので注意が必要です。
◆普通傷害保険に基づく保険金
・日本国内における急激かつ偶然な外来の事故により、被保険者の身体の傷害を担保するもの
◆交通事故傷害保険に基づく保険金
・日本国内における交通事故、道路上での事故等による被保険者の身体の傷害を担保するもの
◆国内(海外)旅行傷害保険に基づく保険金
・旅行中の急激かつ偶然な外来の事故による被保険者の傷害を担保するもの

●所得保障保険に基づく保険金
次のものも、これに疾病特約があれば、その特約部分の保険金は、医療費を補てんするものになりますので注意が必要です。
・被保険者が疾病や傷害を被り、そのために就業不能になった場合、その就業不能期間について保険金を支払うもの

●生命保険契約に基づく保険金
◆災害割増特約に基づく保険金
・不慮の事故を直接の原因として、その事故の日から180日以内に死亡(重度傷害)したとき、および法定、指定伝染病を直接の原因として死亡したとき災害割増保険金が支払われるもの
◆傷害特約に基づく保険金
・不慮の事故を直接の原因として、その事故の日から180日以内に死亡したとき、および法定、指定伝染病を直接の原因として死亡したときに災害保険金が受けとれるもの
・また、不慮の事故を直接の原因として、その事故の日から180日以内に、所定の障害状態になったとき、その身体傷害の程度に応じて傷害給付金が受けられるもの


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医療費を支払った人でない親族が給付金の支払いを受けた場合

今回は、医療費を支払った人でない親族が給付金の支払いを受けた場合についてです。

具体的には、父親は娘が病気治療の入院費を支払ったので保険組合から補てん金の支払を受けたが、さらに母親の方も勤務先の互助会から医療費の補てんとして給付金を受けたようなケースです。

結論から申し上げますと、支払った医療費に対して、支払った本人でない親族が給付金を受けた場合でも、医療費の補てんを目的として支払いを受ける給付金である以上、医療費から控除しなくてはなりません。

ここで、まず医療費を補てんする保険金等とはどのようなものをいうのでしょうか?

医療費控除をする場合の医療費の金額というのは、「保険金、損害賠償金その他これらに類するもの」により補てんされた部分の金額を除いた金額をいいます。

なので上記の例のような、任意の互助組織から医療費の補てんを目的として支払いを受ける給付金もこの医療費を補てんする保険金等に含まれることになります。

では、医療費を支払った人でない親族が、給付金の支払いを受けた場合はどうなるのでしょうか?

この場合、実際に医療費を支払った人でない親族が給付金を受け取ったとしても、医療費の補てんを目的として支払いを受ける給付金であれば、医療費を補てんする保険金等になります。

よって、上記の例のような母親が支払いを受ける給付金についても、支払った医療費の額から控除しなくてはならないのです。


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