医療・保険の税金入門


損害保険や生命保険の中で医療費を補てんする保険金等とはどのようなものかについて

今回のテーマは、損害保険や生命保険の中で医療費を補てんする保険金等とはどのようなものかについてです。

まず、「医療費を補てんする保険金等」のうち、損害保険契約や生命保険契約に基づいて支払を受ける金額とは、どのようなものをいうのでしょうか?

これについては、これらの契約に基づいて医療費の補てんを目的として支払を受ける傷害費用保険金、医療保険金、入院給付金などであるとされています。

具体的には、次のような損害保険や生命保険に特約を付したその特約部分の保険金や、傷害や疾病のみを保険の対象とした疾病保険の保険金などがこれに該当することになります。


スポンサードリンク

●疾病入院特約
・病気で引き続き5日以上継続して入院したときに、入院給付金が受けられます。これは、入院給付日額×入院日数で求めます。
・入院給付金の支払日数は1回の入院につき120日(180日の場合もあります。)を限度とし、通算して700日まで支払われます。
・また、病気で手術をしたとき、その手術の種類によって所定の手術給付が受けられます。
・これは、手術給付特約ですが、手術給付金の支払回数に限度はありません。

●災害入院特約
・不慮の事故による傷害の治療を目的として、事故の日から180日以内に入院を開始し、5日以上継続して入院したときに入院給付金が受けられます。これは、入院給付日額×入院日数で求めます。

●成人病入院特約
・成人病※で継続して20日以上入院したとき、入院日数に応じて成人病入院給付金が受けられます。
・また、1回の入院について180日を限度とし、通算して700日まで支払われます。
・成人病で手術をしたとき、その手術の種類によって、所定の手術給付金が受けられます。
・この手術給付金の支払回数に限度はありません。
・このほかに、長期入院給付金、自宅療養給付金などが支払われる種類のものもあります。
※成人病とは、ガン、高血圧性疾患、心臓疾患、脳血管疾患、糖尿病などのことです。

●高度先進医療特約
・高度先進医療とは、厚生労働大臣に承認されている高度先進医療のことをいいます。
・公的医療保険の一般診療へ導入されたものを除いて、所定の医療機関で受療することが必要とされています。
・支払われる給付金は、特約基本保険金額に、高度先進医療による療養にかかわる技術科に応じた約款に定める給付割合を掛けた金額とされています。

●疾病(医療)単独商品
・上記は、すべて特約であって、主契約に加入している契約者が途中で付加するか、または新契約に加入したときに特約を付加するものです。
・このほかに、主契約がなくても単独の疾病商品※が発売されています。
・病気だけを対象にした疾病保険、病気の中でもガンのみを対象にしたガン保険、病気や災害になったときに入院給付金、看護給付金などが受け取れる医療保険等があります。


▼関連トピック

保険契約等に基づく保険金等は、すべて医療費から控除する必要があるのかについて

今回は、保険契約等に基づく保険金等は、すべて医療費から控除する必要があるのかについてです。

具体的には、死亡したり、疾病により重度の障害状態になったことで支払われた保険金や損害賠償金などのことです。

結論から申し上げますと、このような保険金等、つまり、死亡したことや、疾病により重度の障害状態になったこと、療養のため労務に服することができなくなったことなどに基づいて支払われる保険金、損害賠償金などは、医療費を補てんする保険金等にはならないことになっています。

では、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?

具体的には、次のような、損害保険契約に基づく保険金、災害特約、傷病特約付きの生命保険契約に基づく保険金や給付金で、医療費の補てんを目的としないものがこれにあたることになっていますので、ご参考になさってください。

●損害保険契約に基づく保険金
次のものは、どれも心身に傷害を受けた損害を補てんするものですが、これに疾病特約があれば、その特約部分の保険金は、医療費を補てんするものになりますので注意が必要です。
◆普通傷害保険に基づく保険金
・日本国内における急激かつ偶然な外来の事故により、被保険者の身体の傷害を担保するもの
◆交通事故傷害保険に基づく保険金
・日本国内における交通事故、道路上での事故等による被保険者の身体の傷害を担保するもの
◆国内(海外)旅行傷害保険に基づく保険金
・旅行中の急激かつ偶然な外来の事故による被保険者の傷害を担保するもの

●所得保障保険に基づく保険金
次のものも、これに疾病特約があれば、その特約部分の保険金は、医療費を補てんするものになりますので注意が必要です。
・被保険者が疾病や傷害を被り、そのために就業不能になった場合、その就業不能期間について保険金を支払うもの

●生命保険契約に基づく保険金
◆災害割増特約に基づく保険金
・不慮の事故を直接の原因として、その事故の日から180日以内に死亡(重度傷害)したとき、および法定、指定伝染病を直接の原因として死亡したとき災害割増保険金が支払われるもの
◆傷害特約に基づく保険金
・不慮の事故を直接の原因として、その事故の日から180日以内に死亡したとき、および法定、指定伝染病を直接の原因として死亡したときに災害保険金が受けとれるもの
・また、不慮の事故を直接の原因として、その事故の日から180日以内に、所定の障害状態になったとき、その身体傷害の程度に応じて傷害給付金が受けられるもの


Copyright (C) 2006 医療・保険の税金入門 All Rights Reserved.