医療・保険の税金入門


海外勤務期間中に支払った医療費は、医療費控除の対象になるのかについて

今回のテーマは、海外勤務期間中に支払った医療費は、医療費控除の対象になるのかについてです。

たとえば、3年間海外勤務をして昨年帰国し、本年の医療費が海外勤務中のものが80万円、日本に帰国してからのものが20万円あるような場合、いったいいくらが医療費控除の対象になるのでしょうか?

結論から申し上げますと、医療費控除の対象になるのは、日本に帰国した後に支払った20万円だけということになります。

では、どうして海外勤務中の医療費は医療費控除の対象にはならないのでしょうか?


スポンサードリンク

これは、医療費控除の適用が受けられる人が居住者に限られているからです。

また、1年のうちに居住者期間と非居住者期間がある人の場合は、居住者期間内に支払った医療費だけが医療費控除の対象になるからです。

なので、上記のような場合は、海外勤務中は非居住者になり、帰国後は居住者になりますので、帰国後の医療費20万円だけが、医療費控除の対象になるのです。


▼関連トピック

「医療費のお知らせ」は領収書の代わりになるかについて

今回のテーマは「医療費のお知らせ」は領収書の代わりになるかについてです。

たとえば、10万円もいかないだろうと思って領収書を保存していなかったけれど、健康保険組合から「医療費のお知らせ」が届いてみたら10万円を超えていて、あとからどうしようとあわててしまったというような場合です。

この場合、「医療費のお知らせ」は領収書の代わりになるのでしょうか?

結論から申し上げますと、残念ながら「医療費のお知らせ」は、領収書の代わりにはなりませんので、それだけでは医療費控除を受けることはできません。

では、医療費控除を受けるためには、必ず領収書が必要なのでしょうか?

結果としてはそういうことになります。

医療費控除を受ける場合には、「医療費についてこれを領収した者のその領収を証する書類の確定申告への添付又は当該申告書の提出の際、提示しなければならない」ことになっているからです。

健康保険組合が交付している「医療費のお知らせ」というのは、健康保険を使って治療などを受けた組合員に対して、医療費の節約や医療機関の不正請求のチェックなどを目的として、その組合が補てんした費用を通知するための書類です。

なので、これは、「医療費を領収した者のその領収を証する書類」である領収書とはいえないのです。

というわけで、「医療費のお知らせ」を確定申告書に添付したり、確定申告書の提出の際に提示したとしても、領収書を添付・提示したことにはなりませんので、それによって、医療費控除の適用を受けることはできません。

もし、どうしても控除を受けたい場合には、医師等から領収書を再発行してもらう必要があります。


Copyright (C) 2006 医療・保険の税金入門 All Rights Reserved.